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AIカメラと農業の融合。 ファーマーズサポートが描く新たな畜産の姿

日本

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農家の抱える課題をIoT・AIの活用により解決するファーマーズサポート株式会社。鹿児島県の支援も受けて実証を続けて2021年にはスマート畜産管理システム「MOOVIE」をリリースし、牛の発情検知率を高めることで農家の経営や心労の軽減に貢献しています。そのMOOVIEでなぜi-PROカメラが採用されたのでしょうか。代表取締役の春日様にお話を伺いました。

クライアント
ファーマーズサポート株式会社 代表取締役 春日 良一 様
地域
日本
日本
業界
  • 農林水産業

■導入の背景:画像のフレーム速度向上を実現できるAIカメラの選定に苦慮

当社は農家様の経営効果を向上させるために、スマート畜産システム「MOOVIE(モービー)」を提供しています。MOOVIEは、AIカメラで取得した牛の画像を解析し、畜産管理をする製品で、分娩予兆検知と発情検知の機能を提供しています。MOOVIEは人にも牛にもやさしい畜産を目指し、牛に機器をつけない完全非接触型のシステムで、農家様の昼夜問わずの見回りや飼養管理の負担を軽減し、安全で効率的な分娩・繁殖に貢献すべく開発した商品です。しかし「MOOVIE発情検知」の開発初期は2~3秒程度で終わる牛の発情(乗駕行動)の検知に苦慮しました。解決には画像のフレーム速度を向上させる必要がある事が分かり、高品質なAIカメラの選定が課題でした。

MOOVIE発情検知により牛の発情(乗駕行動)を検知している様子
牛舎に設置されたi-PROのAIカメラ

■選択の理由:牛の発情行動を見逃さない!i-PROのAIカメラを選んだ理由はその性能

私たちはAIカメラの選定において、まず性能を重視しました。以前のMOOVIEでは処理能力では牛の発情行動を見逃す可能性があったため、改善の必要がありました。i-PROのAIカメラはリアルタイムでの高速処理が可能で、牛の動きを正確に捉えることができます。またカメラ自体が高度な物体検知と画像分析を行い、エッジ側でAI処理ができることも採用の理由です。さらに、AIアプリケーション開発が可能なプラットフォームを提供している点や、技術者からのサポートが手厚い点も重要な要素でした。最後に、AIカメラ内で完結することで通信負荷が少なく、エッジAI処理によるソリューションを提供できるという点も大きなメリットです。

■導入の効果:昼夜を問わず必要だった見回りの回数がMOOVIE導入後、大きく減りました。

i-PROのAIカメラは高画質で、逆光や夜間の低照度環境でも牛をはっきりと捉えることが可能です。さらに、色再現性が優れているため、昼夜を問わずにAIが検知する精度を維持することができます。これにより、発情検知の誤報や見逃しを約50%削減し、特に夜間の見回り回数を減らすことができたことは農家様の負担を軽減できた一つの成果だと考えています。

i-PROへの要望

AIの技術は日々進歩しています。新たなAIエンジンも実装できるようにより処理性能の高いAIカメラの開発に期待しています。

-Company Profile-

ファーマーズサポート株式会社 様 https://farmers-s.co.jp/
2016年から早稲田大学と共に鹿児島県で実証を行い農家の課題解決に取り組み、2017年9月1日に創業。畜産を含む一次産業向けにICT・人工知能を活用したシステムの研究開発企業。スマート畜産システム「MOOVIE(モービー)」は農家の日々の管理や心労負担の軽減に寄与すると好評です。

― ここからはファーマーズサポート様が開発したMOOVIEの導入事例を一部ご紹介 ―

繁殖成績向上の達成には不在時や夜間の発情発見が課題でした。

革新的な飼養管理技術と個体観察と情報共有により平成28年の農林水産大臣賞、翌年の内閣総理大臣賞を受賞。肉用牛繁殖経営の高収益化を家族経営で達成されている玉牧場が、より高い生産性を追求し「MOOVIE発情検知」を導入。その結果解決された課題など久留須めぐみ様にお話を伺いました。

-取材にご協力いただいた方-

株式会社玉牧場 様
久留須 めぐみ 様
https://www.tama-farm.net/

「MOOVIE発情検知」導入経緯

私たちは鹿児島県霧島市の自然豊かな土地の中で、安心安全な子牛を生産している黒毛和種生産農家です。牛の健康状態をきめ細かく観察し、個々の牛の状態に応じた飼育管理を心掛けています。出荷月例の早期化や繁殖成績の向上を目指していますが、特に夜間や不在時の発情発見に課題がありました。そこで、ファーマーズサポート株式会社が開発した「MOOVIE発情検知」を日本農業新聞の記事(2021年11月10日(金)掲載)を見て知り、すぐに電話をして導入しました。

導入の効果

実際に導入してみて、牛の発情の発見率が高くて驚きました。自分たちだけでは気づけなかった牛もいました。通知される画像もきれいで見やすかったです。ただ、どの牛が発情したのかを判別するのはまだ難しいので、現在はオモテ(面綱)をつけて目印にしています。それをカラーテープで区別し、カメラに映ったときに「赤と青ならあの牛だね」と判断できるようにしています。

カラーテープで色付けされたオモテをつけた牛の様子
スマートフォンでMOOVIEを確認

ファーマーズサポート様(i-PRO)への要望

農業はIoT化、AI化がまだ遅れていて、もっとAI技術を活かせる分野だと思います。今回の発情検知というツール一つでも、大きく仕事のやり方を変えることができました。私たちの仕事がさらに効率的かつ生産性が上がるような新たなツールの開発をお願いします。