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パナソニックから分離独立したカメラメーカーの成長戦略

i-PRO株式会社 代表取締役会長 兼 CEO中尾 真人

メディカルビジョンの戦略

ここで、i-PROのメディカルビジョン事業について触れておきます。現在、メディカルビジョン事業は総売上げの約15%を占めています。i-PRO製の医療用カメラは、腹腔部の手術や検査で使われる硬性内視鏡などに組み込まれ、多くの大手医療機器メーカーに採用されており、今後さらなる成長が期待される事業です。医療用カメラの場合、色の再現性などの要求が厳しく、セキュリティカメラへのニーズとは異なります。くわえて、医療にまつわる法規制は国ごとに異なるばかりか、診療科目によってニーズも変わってくるため、セキュリティカメラ以上に分散した市場になっています。

これまでは世界の大手医療機器メーカーと個別に契約を結び、医療用カメラの共同開発を進めてきました。メーカーごとに仕様が異なるため、それぞれの要求に基づいて開発する必要があるからです。したがって、セキュリティカメラと同様、光学部分から画像処理部分まで都度設計を行い、時間をかけてつくり込んでいました。こうして開発されたカメラは、基本的にほかのお客様が利用することはできません。それゆえ、高い技術がありながら、パナソニック時代にリーチできたのは大手医療機器メーカーが握る市場に留まり、分散したロングテールの部分には到達することができませんでした。

しかし2022年度初頭、本事業においてもモジュラーコンセプトを応用し、汎用モジュールを組み合わせることで、ニーズの分散にも迅速に応えられる開発方針へと転換しました。これまでの経験によって、我々の内部には顧客ニーズに関する膨大なデータが蓄積されています。共通しているニーズは何か、あるいは顧客ごとに異なるニーズは何かについて、十分な知見があります。ですから、どのような汎用モジュールを開発すれば、どれくらい多様なニーズに応えられるかを予見することが可能です。これも他社にはない優位性のひとつです。

こうしてメディカルビジョン事業でも、オープンポリシーとタイムベース競争を両立させるモジュラーコンセプトを導入したことで、他社よりもスピーディに多種多様な提案ができるようになりました。言わば開発製造請負モデルからOEMモデルへと、ビジネスモデルの転換を果たしたのです。このことを踏まえて、メディカルビジョン事業は今後5年間で売上げ倍増を見込んでいます。

 

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