はじめに

本書は、AI現場学習アプリケーション(以下、本製品)をカメラに登録する方法と運用を開始する前に必要な設定、および運用時の操作方法について説明しています。本製品はカメラに登録のうえご使用いただくことを前提としているため、ご使用の際には、お使いのカメラの取扱説明書も併せて必ずお読みください。また、本書に記載されている設定画面は、お使いのカメラの機種やi-PRO設定ツール(以下、iCT)のバージョンによって一部画面と異なる場合があります。
本製品は、AIネットワークカメラ(別売り、以下カメラ)とAI動体検知アプリケーション(別売り、WV-XAE200WUX)をより便利にお使いいただくためのソフトウェアです。本製品は、AI動体検知アプリケーションで検知できるオブジェクトを追加することができます。また、期待する検知精度を得られない場合に、精度課題があるシーンをカメラに学習させ、AI動体検知アプリケーションの検知精度を向上させることもできます。
AI動体検知アプリケーションについては、以下のURLを参照してください。
AI動体検知アプリケーションの詳細はこちら
本製品の設定については、iCTをご使用ください。

・iCTについては、以下のURLを参照してください。本製品の設定については、V3.10以降のiCTをご使用ください。


iCTの詳細はこちら

・本製品の対応機種、ソフトウェアバージョンなどの情報は、以下のURLを参照してください。


機器互換
<C0103>

※「<管理番号:Cxxxx>」は、弊社サポートウェブサイト内で該当する情報を検索する際に使用する番号です。


本製品は、カメラ1台ごとに必要です。
本製品の説明で登場する用語を以下に記載します。
学習用画像
学習に使用する静止画像を表します。カメラから直接撮影した画像またはPC内に保存したJPEG/PNG画像を使用します。カメラ内部に保存されます。
学習モデル
複数の学習用画像からAIで作成された学習結果です。カメラ内部に保存されます。
本製品は、以下の機能によりAI動体検知アプリケーションの検知精度を向上させることができます。
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新規検知オブジェクトの追加:フォークリフトなど、AI動体検知アプリケーションで検知する動体(人物、車、二輪車)以外のオブジェクトを学習して監視する
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誤検知改善:AI動体検知アプリケーションで人物、車、二輪車以外のオブジェクトを人物、車、二輪車と誤検知しているシーンを学習して誤検知を改善する
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検知漏れ改善:AI動体検知アプリケーションで動体(人物、車、二輪車)を検知しにくいシーンを学習して検知漏れを改善する
本製品は、1つの学習モデルにつき、最大5個まで検知オブジェクトを定義して学習できます。
本製品の動作イメージは下記をご参照ください。学習前はフォークリフトを検知していませんが、[新規検知オブジェクトの追加]機能でフォークリフトを学習後は検知できるようになり、フォークリフトが検知エリアへ侵入するとアラームを発報しています。
本製品の最小検知サイズと最大検知サイズを下記に記載します。
ネットワークカメラの解像度
最小検知サイズ[pixel]
最大検知サイズ[pixel]
2MP
100x50 または 50x100
幅960x高さ540
5MP
133x66 または 66x133
幅1280x高さ960
6MP
173x87 または 87x173
幅1664x高さ936
4K
200x100 または 100x200
幅1920x高さ1080
その他の推奨環境は、本製品と組み合わせて使用するAI動体検知アプリケーションの推奨環境に従ってください。
AI動体検知アプリケーションについては、以下のURLを参照してください。
AI動体検知アプリケーションの詳細はこちら
以下のような場合、失報や誤発報の原因になる場合があります。
背景と被写体の輝度差(明るさの差)が少ない。
夜間など、映像の輝度が低い。
被写体にピントが合っていない。
被写体がぶれている。
被写体が小さすぎる、または大きすぎる。
被写体が白飛び、あるいは黒潰れしている。
屋外、窓際など光線状態が変わりやすい。
日光・車のヘッドライトなどの外光や水溜まりやガラスなどの光の反射が入る。
強い外光が差し込み、被写体やそれ以外の影ができる。
カメラのレンズに水滴や汚れが付いている。
カメラが揺れている。
その他の注意事項を以下に記載します。
学習前後で、カメラの映像設定を変更した場合、失報や誤発報の原因になる場合があります。カメラの[撮像モード]や[画像回転]を設定変更した場合は、下記を再度行って下さい。
 
 
本製品が対応している[画像回転]設定は、[0°(Off)]と[180°(上下回転)]です。
運用中に想定される照度の画像を収集して学習を行う必要があります。
IR-LED下で使用する場合、IR-LED下の画像で学習を行う必要があります。
現場学習機能の検知性能は、学習結果やご使用される環境に依存します。完璧な検知性能が求められるユースケースでの使用には適していません。設置現場での動作確認を十分にされた上でご使用下さい。なお、弊社は検知性能について一切保証しておりません。
本製品の設定や学習は、複数PCから同時に行うことはできません。
カメラの[設定データ初期化]を実行した場合、本製品の設定データと学習用画像、学習モデルは初期化されません。ただし、カメラ本体の画質設定などの影響を受ける可能性があるため、再度動作確認を行ってください。
本製品をアンインストールした場合、学習用画像と学習モデルは削除されます。