データの保存や共有などを目的に様々なシーンで活用されるクラウドサービス。この技術は昨今の防犯カメラシステムにも大いに活かされています。本記事では、クラウドを活用した防犯カメラシステムの特長や、各業界におけるメリット、そして実際の活用事例をご紹介します。

1. クラウドを活用した防犯カメラとは

クラウドを活用した防犯カメラでは、クラウド上のサーバーを通してデータのやり取りを行ないます。「ネットワークに接続した端末から、いつでも、どこからでもデータにアクセスできる」というデータクラウドの特長により、PC、スマートフォンなどの端末から、遠隔でリアルタイムの映像や過去のデータを確認することが可能です。製造、物流、小売、インフラ、教育、医療の現場をはじめとした様々な業界それぞれで使いやすい運用が可能です。

2. クラウドを活用した防犯カメラのメリット

クラウド接続に対応した防犯カメラは、多くの業界で共通の課題である「人手不足」や、機器の導入につきものの「管理者の負担」の解消・低減に寄与する様々なメリットを提供します。

人手不足の解消、省人化

クラウドに接続されている防犯カメラの映像は、ネットワークを通じてPCやスマートフォンから確認することが可能です。クラウドを経由して録画データにアクセスする方式のため、自社運用でネットワーク環境を構築するなどの特別な用意や知識は必要なく、手軽にリモートでの映像確認を導入できます。複数の拠点の映像を一括で確認・管理することもできるため、現場視察の回数を減らしたり、人員配置をより適切に行えるようになるなど、人手不足の解消や現場の省人化に貢献します。

遠隔でアップデートでき、管理コストが低減

クラウドを使うことで、映像の確認だけではなくソフトウェアアップデートなどの機器の管理も遠隔で行うことが可能です。ネットワーク上の最新ソフトウェアへ簡単にアクセスでき、複数拠点のカメラを一括でアップデートできるため、管理担当者の業務負担の低減に貢献。アッデート漏れに起因する不具合を抑制する効果も期待できます。
また、万が一トラブルや障害が発生した際には、専門家によるサポートを遠隔で受けることが可能です。クラウドによるリモートでの状況の確認、処置対応により、スピーディーなシステム復旧を実現します。

3. 業界別・クラウド防犯カメラ活用の具体的なメリット

クラウドを活用した防犯カメラは、遠隔地から多拠点のカメラ映像を一括で確認・管理できる、AIを活用したアプリケーションによる高度なセンシングを利用できるなどの特長を活かし、様々な業界の課題解決、業務効率化に貢献します。

介護業界におけるメリット

「見守り」の強化や、現場の見える化、そして職員の業務改善・効率化に貢献します。クラウドを通じて複数箇所のカメラ映像を遠隔で一括確認できるため、より死角の少ない見守りの実現や、巡回業務の効率化を図ることが可能です。録画データは、入居者のご家族への報告や万が一のトラブル時の状況確認、そして業務改善を検討する上での資料としても利用できます。また、AI搭載のカメラで入居者の危険につながるような状況を検知し事故を防いだり、暗所撮影が可能なカメラで夜間もしっかり撮影し見守りを途切れさせないなど、人の目、力だけでは難しい見守りを行うことが可能です。

物流業界におけるメリット

物流業界では、離れた複数の拠点をまたがる運用が必須となり、クラウドサービスを使った遠隔管理の仕組みも重要な要素となります。拠点間を移動する荷物、トラック、ドライバーなどの状況を、各地域で確認できる仕組みとしてクラウド対応カメラが有効に活用されています。
物流業界において第一に重要となるのは「安全」な運営です。その実現に向けてクラウドを使ったAIカメラがお役立ちします。AIカメラが、トラブル発生の原因となるような状況を自動で検知し、その情報を管理者にお知らせすることで、起こる可能性のあった事故やトラブルを未然に防止します。一方で起こってしまったトラブルの原因究明にもカメラは有効です。鮮明な映像は正確な状況把握につながり、管理者による再発防止の対策に向けた動きをサポートすることができます。荷物、備品などの紛失や設備の破損なども、いつ、どのようにして起こったのかなどの正確な状況把握と原因究明を、離れた拠点間でも可能とします。

製造業界におけるメリット

クラウドにより、離れた拠点や工場の様子を本社などからいつでも遠隔で状況確認できる環境を構築することができます。防犯用途だけでなく、カメラ映像から相互の作業状況を確認し、業務上の改善点を見つけることで人員配置の適正化や、業務の効率化を図ることも可能になります。AIによる各拠点の映像解析結果から、より適切な作業環境の構築を進めることができます。
また、生産ラインを常時撮影、記録しておくことで、不良品などの品質異常が発生した際は原因の特定に役立てることができます。さらに、各種AIアプリケーションの利用により、危険エリアへの侵入や、動線上への物の放置などに対してアラームを設定できるなど、製造現場に必要不可欠な安全対策、品質管理に貢献します。

サービス業界におけるメリット

PCやスマートフォン、タブレットからクラウドを通じて複数拠点のカメラ映像を一括で確認・管理できるため、店舗のモニタリング業務を効率化し、人手不足の解消や移動コストの削減に貢献します。音声機能対応のPTZタイプのカメラを活用すれば店内をより詳細に確認できるため、遠隔からの接客や、従業員のサポートなどにも利用可能です。また、AIを用いてデータ化した来店者の属性情報をマーケティングに活かすこともできます。

小売業界におけるメリット

クラウド接続に対応した防犯カメラには様々な機能、形状のものがあります。店舗の雰囲気に合わせた目立たない小型のものや、一方でカメラの存在感をしめすことで犯罪抑止力につながるようなものなど、設置環境に合わせた機器選定が可能なため、店舗フロアからバックヤード、屋外まで強固なセキュリティを実現できます。また、最近では、AIを活用し人数カウントや混雑検知などを行うアプリケーションが多数提供されています。カメラ映像から来店者の行動を分析し、店舗レイアウトの見直しや、接客方法の検討に活かすことで、効果的な販売計画を立てることが可能です。

4. i-PROの防犯カメラおよびクラウドカメラサービス

最先端の技術を注ぎ、さまざまな環境に耐える機能・信頼性を備えたi-PROの防犯カメラ。形状やサイズ、付加機能のバリエーションに富んだ製品ラインアップの多くがAI機能を搭載しており、用途・目的に合わせた画像センシングが可能なアプリケーション群にも対応しています。また、遠隔での多拠点一括管理を手軽に導入できるエッジ記録型クラウドカメラサービスi-PRO Remo. も提供するなど、防犯カメラシステムを通じて多くの現場の課題解決に貢献しています。

5. 導入事例

i-PROの防犯カメラ、エッジ記録型クラウドカメラサービスi-PRO Remo. をご活用いただいている現場の声をご紹介します。

物流センターの高品質な運営でお客様満足度向上

海上・航空貨物輸送から在庫管理、流通加工まで多角的な物流サービスをグローバルに展開する郵船ロジスティクス株式会社様では、物流の高い品質の実現にむけ、状況をリアルタイムで把握、可視化することを目的にi-PRO Remo. を導入されました。画質や即時性、クラウドを通じたアップデート、ランニングコストを抑えられる点などを評価いただいています。国際物流ビジネスでは、取り扱い状況の記録提出を求められることも多く、動画や静止画を簡単にダウンロードすることができ、調査や報告書作成にかかる時間、労力を大幅に削減する効果を生んでいます。

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遠隔モニタリングで業務効率とサービス品質を向上

地域密着型の介護福祉サービスを展開する株式会社ウェルオフ様が運営する高齢者住宅「エクラシア新座」に、i-PRO Remo. が採用されました。本部拠点や外出先からクラウドを通じて遠隔で現場の様子を確認できるようになったことにより、大幅な業務の効率化を実現。また、映像を参考にした業務の改善活動も活発に行われるようになり、サービスの質の向上につながっています。

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店舗の管理工数を大幅に削減

神奈川県内を中心に店舗を展開する飲食店チェーンの居酒屋さざん様にi-PRO Remo. が採用されました。i-PRO Remo. とマイク内蔵のi-PROネットワークカメラを組み合わせ導入し、各店舗の様子をクラウド経由でスマートフォンから遠隔で簡単に確認できるシステムを構築。現場に行かずとも状況の確認が可能になり店舗の巡回回数を削減できたことで、その分の時間や費用を効率的に使用できるようになりました。

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事業所単位を超えた全国拠点の一元管理を目指す

通信建設事業、営業ソリューション事業、オンサイトサポート事業などを幅広く展開する株式会社メディアクリエイトコミュニケーションズ様が全国拠点の一元管理を目的に、クラウドによるリモート多拠点監視を実現できるi-PRO Remo. を採用。全国の拠点に先立ち大阪拠点にカメラ、エッジストレージとi-PRO Remo .サービスを導入し、東京から遠隔で状況確認ができるシステムを構築しました。専用ビューアー(i-PRO Mobile APP)を用いてスマートフォンからも映像を確認できる点や、直感的に使える操作性の高さを評価いただいています。

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