はじめに

本書は、機能拡張ソフトウェアWV-XAE400W(以下、本製品)をカメラに登録する方法と運用を開始する前に必要な設定、および運用時の操作方法について説明しています。本製品はカメラに登録のうえご使用いただくことを前提としているため、ご使用の際には、お使いのカメラの取扱説明書も併せて必ずお読みください。また、本書に記載されている設定画面は、お使いのカメラの機種やi-PRO設定ツール(以下、iCT)のバージョンによって一部画面と異なる場合があります。
本製品は、AIネットワークカメラ(別売り、以下カメラ)をより便利にお使いいただくためのソフトウェアです。本製品をカメラにインストールし、解除キーを登録することで、正常状態をカメラに学習させ、状態変化時にアラーム通知する機能を利用することができます。
アラームは、以下の外部システムに通知することができます。
映像監視ソフトウェア(WV-ASM300WUX)(別売り)
ネットワークレコーダー(WJ-NXシリーズ、WJ-NUシリーズ)(別売り)
マルチAIソフトウェア(WV-ASA100WUX)(別売り)
本製品の設定については、iCTをご使用ください。

・iCTについては、以下のURLを参照してください。本製品の設定については、V3.5以降のiCTをご使用ください。


iCTの詳細はこちら

・本製品の対応機種、ソフトウェアバージョンなどの情報は、以下のURLを参照してください。


機器互換
<C0103>

※「<管理番号:Cxxxx>」は、以下の弊社サポートウェブサイト内で該当する情報を検索する際に使用する番号です。


・本製品は、カメラ1台ごとに必要です。


・本製品をご使用いただくためには、SDメモリーカードが必須です。i-PRO機器専用 SDメモリーカードの使用を推奨します。


・本製品の使用中にSDメモリーカードのフォーマットを行った場合、カメラを再起動してください。


本製品は、正常状態を定義/学習し、異常と判定した場合に指定した通知先へアラームを通知します。以下を含む複数のケースで役立ちます。
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金庫や書庫など、重要物を保存する扉の締め忘れや開放状態を防止したい。
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陳列棚の欠品状態を迅速に把握して商品を補填したい。
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展示品など、本来置いてあるべき場所から持ち去られた場合に速やかに捜索したい。
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駐車禁止場所に車が停められた場合は、直ちに退去を警告したい。
本製品には、以下の特長があります。
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最大3つまで正常状態を学習させ、学習モデルを作成できます。
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最大16個まで検知エリアを設定して学習できます。
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運用環境に応じてアラーム通知条件を調整することができます。詳細は以下を参照してください。
4.3 詳細設定
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SDメモリーカード内のデータをバックアップ/アップロードすることができます。
本製品の動作イメージは下記をご参照ください。動作イメージでは、ドアを閉めている状態を正常状態として学習しています。検知エリアの色は、水色は正常状態、青色は異常状態、赤色は異常状態かつアラーム状態を表しています。
本製品は屋内での使用を推奨します。(屋外は気候・日照変動・季節など変動要因が大きく、検知性能が低下する可能性があります。)
本製品の最小検知サイズは、画角幅5%以上です。検知対象物は、ライブ画に表示されているグリッドの1マスよりも大きくなるよう画角を調整してください。
システムデザインツールを使用して画角を決定する場合、[AIアプリケーション]-[汎用]-[ご使用のカメラを選択]から、ガイダンス条件を以下のように設定してください。
 [高さ] = 検知対象物の床からの高さ+検知対象物の高さ
 [大きさ] = 検知対象物の短辺
 [被写体の画素数] = 検知可能の下限値を以下の値に設定してください。
全方位カメラはシステムデザインツールで設定できません。
 
【例(2MP(1080p)カメラの場合)】
下図のように棚の欠品を検知させる場合、以下のように設定する。

※この場合、より小さく映る最下段の検知対象物で設定する



[高さ] = 0.3 + 0.25 = 0.55m
[大きさ] = 0.2m [被写体の画素数] = 検知可能の下限値を100pix
[被写体の画素数] = 検知可能の下限値を100pix
上記は学習エリアがデフォルト設定(画面全体)の場合です。学習エリアを限定することで、より遠方の被写体を検知できる場合があります。
以下のような場合、失報や誤発報の原因になる場合があります。
背景と被写体の輝度差(明るさの差)が少ない。
夜間など、映像の輝度が低い。
被写体にピントが合っていない。
被写体がぶれている。
被写体が小さすぎる、または大きすぎる。
被写体が白飛び、あるいは黒潰れしている。
屋外、窓際など光線状態が変わりやすい。
日光・車のヘッドライトなどの外光や水溜まりやガラスなどの光の反射が入る。
強い外光が差し込み、被写体やそれ以外の影ができる。
カメラのレンズに水滴や汚れが付いている。
カメラが揺れている。
その他の注意事項を以下に記載します。
学習前後で、カメラの映像設定を変更した場合、失報や誤発報の原因になる場合があります。カメラの[撮像モード]や[画像回転]を設定変更した場合は、下記を再度行って下さい。
 
 
カラー映像・白黒映像が切り替わる環境でご使用の場合、カラー画像・白黒画像それぞれで個別に学習を行うことを推奨します。
運用中に想定される照度の画像を収集して学習を行う必要があります。
IR-LED下で使用する場合、IR-LED下の画像で学習を行う必要があります。
人物が写り込む環境でご使用の場合、[人物を状態変化から除外]設定を有効にしてください。ただし、人物が正常に検知されない場合、正しく除外できない場合があります。また、人物ではないものを人物として検知した場合、人物ではないものを除外してしまう場合があります。
置き去り物(不審物等)の検知用途でご使用の場合、[置き去り検知]を有効にしてください。
低照度時に誤報が発生する場合、低照度時のアラームを停止する設定を有効にすることで誤報を抑制できます。
本製品の設定や学習は、複数PCから同時に行うことはできません。
カメラの[設定データ初期化]を実行した場合、本製品の設定データとSDメモリーカード内のデータ(学習用画像、学習モデル)は初期化されません。ただし、カメラ本体の画質設定などの影響を受ける可能性があるため、再度動作確認をお願いします。
独自アラーム通知のメッセージIDは、状態変化検知アラームは「59」、SDメモリーカードへアクセスできない場合のアラームは「60」になります。