装置内部の状態を“見える化”。高精細ネットワークカメラで保守支援を効率化

日本

タカヤ株式会社 様

フライングプローブテスタの開発・製造を行うタカヤ株式会社様は、装置内部の状況を遠隔から把握し、初動対応を迅速化する仕組みが求められていました。そこでi-PROのネットワークカメラを導入いただき、装置のリアルタイム監視やトラブル時の原因分析、検査工程の品質管理に活用されています。今回は、導入の背景や選定理由、運用の工夫と効果について、実際にご活用いただいているご担当者様にお話を伺いました。

装置トラブルに備える「状態見える化」体制の構築

タカヤ株式会社は 1894 年の創業以来、繊維産業を起点にエレクトロニクス分野と事業を拡大し、技術革新と持続可能な社会の実現に向けた製品開発に取り組んでいます。タカヤが開発・販売を開始した「フライングプローブテスタ」は、基板製造過程で発生する不良を迅速かつ確実に検出する検査装置で、業界トップクラスのシェアを誇っています。

従来のフライングプローブテスタには、トラブル対応や保守支援を目的としたカメラシステムが搭載されておらず、装置の状態確認は現地サービスマンからの報告に依存していました。そのため、不具合が発生した際には、限られた情報をもとに本社側が状況を判断せざるを得ず、正確な症状の把握や原因の特定に時間を要するケースが多く見受けられました。

当社の装置は、さまざまな製造現場で活用されており、拠点によっては技術者が現地に到着するまでに一定の時間を要することもあります。その間に初動対応が遅れた結果、装置の停止時間が長引き、生産スケジュールに影響を及ぼす可能性も否定できません。迅速な対応体制を構築するには、現地に赴かずとも状況を正確に把握できる仕組みが必要でした。

こうした課題を受けて、装置内部の状態をリアルタイムで“見える化”し、遠隔からでも迅速な判断ができる体制の構築を検討しました。そこで注目したのが、ネットワーク経由で高精細な映像を取得できるi-PROのネットワークカメラです。既存の装置環境に無理なく組み込める柔軟性と、遠隔監視に求められる映像の安定性・信頼性が、導入の大きな決め手となりました。

省スペースに収まる柔軟設計と広角映像 現場環境に適した監視性能

i-PROカメラを採用するにあたり、最大の決め手となったのは、限られた装置内部に設置可能なコンパクトさと、広角かつ高精細な映像をリアルタイムで取得できる性能の両立にありました。フライングプローブテスタの内部はスペースに制約があるため、機器のサイズや設置方法には高い柔軟性が求められます。i-PROカメラは、装置に無理なく組み込める小型設計であるにもかかわらず、広い視野角と高解像度を実現しており、装置全体の挙動をしっかり捉えることができます。

また、映像の品質や信頼性に加えて、装置ごとに異なる設置条件に応じたカスタマイズ性にも優れており、導入のしやすさという点でも大きなメリットがありました。装置内部のモニタリングに求める要件を、サイズ・画質・柔軟性のすべての観点で満たしていたことが、採用の決定打となりました。

映像記録の多目的活用で、原因分析・品質改善・教育支援まで展開

i-PROカメラは、フライングプローブテスタ内部に組み込み、装置稼働中の映像を記録することで、装置トラブルの原因分析や初動対応の迅速化に大きな効果をもたらしています。装置内部で発生したエラーや異常の瞬間を高解像度映像で保存することで、後から状況を客観的かつ正確に確認できる体制が整いました。

従来は、現地サービスマンの報告をもとにした対応しかできず、トラブルの再現や細かな挙動の把握が難しい状況でしたが、映像によって技術部門が事実に基づく判断を下せるようになり、対応のスピードと精度が格段に向上しました。

また、記録された映像データは、サービス部門だけでなく設計部門や品質管理部門とも共有され、製品設計へのフィードバックや教育コンテンツへの活用にもつながっています。映像ファイルにはパスワード設定が可能であり、機密情報を含むケースでも安全に保存・運用できる点も、導入メリットのひとつです。

さらに、導入後に新たな活用法も生まれました。それが「検査開始前の基板状態確認」です。プリント基板が搬送中に脱落していないか、あるいは誤った基板が投入されていないかを、検査直前の映像で確認する運用を追加。これにより、異常状態を未然に防ぎ、無駄な検査時間の削減や装置トラブルの回避につながっています。

検査工程の入口での“目視の代替”として映像を活用するこの仕組みは、品質保証強化の観点からも非常に有効です。

現在は一部の装置において活用を進めている段階ですが、展示会でi-PROカメラによる実機内部のライブ映像を配信した際には、多くのお客様から驚きと高い評価をいただきました。「装置内部の動作がそのまま見える」「映像が非常に安定している」といった反応が多く、遠隔保守や状態監視へのニーズの高さを実感しています。

また、映像を記録として残せることは、原因分析や教育用途、社内技術共有にも有効です。アクセス制御も可能で、セキュリティを求めるお客様にも安心してご紹介できる運用体制を構築できています。

今後に期待すること

今後は、より多くの現場での運用事例を積み重ねることで、定量的な効果を明確にし、より説得力のある提案へとつなげていきたいと考えています。
今後も、産業用途におけるニーズに即した堅牢なハードウェア設計と柔軟なソフトウェア対応を両立した製品づくりをお願いするとともに、現場の声に真摯に耳を傾けていただけるi-PRO様のサポート体制に、引き続き大きな期待を寄せています。

-Company Profile-

タカヤ株式会社 様
https://www.takaya.co.jp/

タカヤ株式会社は、1894年に織物業として創業した高屋織物を前身とし、1966年に電子機器部門を設立。以来、電子機器受託生産(EMS)、実装基板検査装置「フライングプローブテスタ」の開発・製造・販売、RFID機器開発、ITソリューションの提供など、多彩な事業を展開する技術志向のものづくり企業です。
1987年に開発したフライングプローブテスタは、実装基板検査機の分野で業界トップクラスのシェアを誇ります。2024年には創業130周年を迎え、持続可能な社会に貢献する企業として、長年培ってきた技術と柔軟な対応力を強みに事業を展開しています。