製品デザイン
スピーカーカメラ
静かに見守るデザインで安心安全を実現


「離れた場所にいる。でも利用者にすぐ声をかけたい」
医療・介護現場で高まっていた「離れた場所からでも利用者に声をかけたい」というニーズを背景に、スピーカーカメラが企画されました。
離れた場所にいても利用者に声をかけられ、現場が確認できることが利用者の安心へ繋がります。また人手不足が深刻になる中で、働く人達の業務負荷軽減になると考えられたためです。


多くの要件が複雑に絡み合うこのプロジェクトに、入社間もないデザイナーが挑みました。
セキュリティ機器や医療現場特有の要件を学びながら、企画や設計・営業部門との協議を重ねていきます。その積み重ねを通じて外観と使い勝手を少しずつ具体化していったのです。


「見られている」威圧感を与えず環境になじむデザイン
デザイナーが主に取り組んだのは、医療・介護の空間で威圧感を与えず環境になじむ佇まいをつくることでした。
「見られている」と感じさせずに安心して治療等に専念してもらうためです。構造から機能、触ったときや設置方法などを含めて、何日も掛けて様々なアイディアを出しました。
このカメラはレンズが付いていることはもちろん、スピーカー・マイク・赤外線ライトなど要素が多くてどうしても外観が複雑になります。
そこで思い浮かんだのはボディの黒い領域を作り、レンズやライトを集約することで目立たなくするアイディアです。スピーカー部分も小さな穴を整然と並べることで、情報量を抑えた静かな表情にまとめました。機能を成立させながら、できるだけ目立たず空間と調和するようにできたと思います。


多様な設置方法の実現は、設計部門とデザインの二人三脚で
現場ごとに異なる設置方法に対応できることが重要でした。 壁付け・天井吊り・棚置き・ポール固定など多様な設置方法が求められる中で、機構担当者と何度もコミュニケーションを取りながら検討を進め、背面スタンドを含む構成を筐体として破綻なく一体化しました。


今回スピーカーカメラを担当したデザイナーは、i-PROの製品デザインを入社後初めてプロジェクトリーダーとして担当し、かつ、医療・介護ニーズという新たなチャレンジをしました。
開発の過程では強度や熱対策など技術面で学ぶことも多く、デザイン検討を実現する難しさを実感する場面もありました。一方でプロジェクトメンバーと一緒になってよりよいアイディアを製品に落とし込めたことは大きな収穫です。
i-PROの製品デザイナーとして初のチャレンジをしたデザイン担当者は、「デザインは決して単独で完結するのではなく、各部門との協業のなかで完成度を高めていくことを教えて貰えました。」と述べています。


こうして完成したスピーカーカメラは2025年のグッドデザイン賞を受賞し、環境調和・設置性・安全性を高いレベルで両立した点が評価されました。 現在では医療・介護施設に加え、フィットネス施設、コインランドリー、小売店などに導入が広がっています。静かに見守るデザインによって、より人々の安心安全に貢献できる製品に仕上がったと思います。
・商品ページへのリンク
https://i-pro.com/products_and_solutions/ja/surveillance/products/new-products/speaker_camera
・グッドデザイン賞へのリンク
https://www.g-mark.org/gallery/winners/29913?text=i-PRO